『親愛なるジーンへ1』の感想
吾妻香夜さんの作品『ラムスプリンガの情景』の別ストーリーです。
このシリーズの作品とにかく優しいんです。
作中の言葉も優しい。誰かを思うことをとても大切に扱っている作品だと思います。
あらすじ
NYに住む伯父・トレヴァーの書斎で一冊の手記を見つけたジーン。そこには、自分ではない「ジーン」について綴られていた。……1973年。弁護士のトレヴァーは重要な書類を紛失する。雪が降りしきる中、それを届けてくれたのは清掃員していたジーンだった。ボイラー室で暮らしているという、見るからにみすぼらしい彼を放っておけず、トレヴァーはお礼も兼ねてハウスキーパーをしないかと持ちかける。まるで中世からやってきたような世慣れなさに反し、教養を感じさせる美しい元アーミッシュの青年ジーンとの同居生活は、ゲイであるトレヴァーに羨望と穏やかな幸せをもたらすが……。大ヒット作『ラムスプリンガの情景』へとつながる、もう一つの愛の物語。
『ラムスプリンガの情景』を読んだ事ある人は、あっ!てなりますよね。
ダニーの兄ジーンの故郷を後にしたあとの話です。
ラムスプリンガ期間を終えて、外の世界で暮らすことを選んだジーン。
その選択は過酷だったようで、家も定職もなく生活しているところを弁護士のトレヴァーと暮らすことになります。
ジーンにとってトレヴァーと出会ったことによって生活が変わっていきます。
まさかのトレヴァーに自慰をみられてしまったことによって、より親密な関係(友人として)なり、一緒に住む理由を見つける。
髪を切ってあげたり、大学に通わせてあげたり・・・。ジーンにとっては足長おじさんのような存在ですね。
そんな二人が愛情を大切に育てていく話になればいいな・・・。と願望。
願望って言うのはまだ完結していないから・・・。
考察すると
そもそも、タイトルにもあるように『親愛なるジーンへ』はトレヴァーの甥っ子のジーンがトレヴァーの日記を見つけてしまったところから始まっているんですよ。
時代は90年代。
そして、90年代のシーンにはジーンはまだ登場していない。
甥っ子の名前はジーン・・・。
まさかと考えたいが、この後ジーンはこの世を去ってしまう。そして生まれた甥っ子の名づけ親になるように言われたトレヴァーは一番美しい名前ジーンと名づける。
なんて・・・
いやーーーーー!悲しい話になったらいやーー!!
とにかく続きが気になります。