『泥中の蓮』読みましたので感想書きます。
『泥中の蓮』はためこうさんの作品。
じつの兄弟同士で・・・という背徳感がたまらない作品です。内容は結構暗いかも。
シリアスが好きな人にはおすすめですが、甘いHAPPYな気分になりたい人にはおすすめしません。
しかし、人気作家ためこうさんの描くストーリー。
『泥中の蓮』はくずのような人ばかりが登場するのですが、そのなかで一番策士だったのはだれ?といったミステリー要素まであるんじゃないかと思わせる内容でした。
あらすじ
「もっと汚されてよ。誰も近寄らなくなるくらい。そうしたら――――オレが一番優しく抱くよ。」 優等生弟とウリセン兄。世界に二人だけならよかった――。 両親を早くに亡くし、二人暮らしの橘(たちばな)兄弟。しっかり者で真面目な弟・秋生(あきお)は、男に体を売って金を稼ぐ兄・元春(もとはる)に恋をしている。秋生が兄の乱れた性生活を不満に思わないのは、兄がいつか誰からも見捨てられた時、側にいられるのは自分だけだと信じているから――。巨弾新鋭・ためこうが放つ、業深き兄弟の歪な執着愛。
感想(ちょっとネタバレかも)
二人の兄弟愛は歪んだ執着なのか、それとも純粋なのか?
と読み手によって変わる作品だと思います。
両親を早くになくし、兄弟二人で生きてきた。
弟くん、歪みまくった愛情だけど、誰にでも股を開く兄に独占欲をこじらせてしまったのでしょう。
また、兄も自分とは反対のような優秀な弟をかわいく誇りに思っている。
「泥中の蓮」とあるように蓮は綺麗に見えるのは水面上だけ、その下はドロドロの泥の中で育つ。
弟の秋夫の優等生という部分が花、実の兄を思う部分が泥
と言うことで、つけられたタイトルなのかと思いきや。
兄の元春にも花と泥の部分が・・・。
真相がわかった瞬間にガチャっと終わる映画のようなどんでん返しでした。